夏生に気付いて、固い笑顔を送る福永瑛未の姿。
オレはその光景をぼんやりと眺めていた。
夏生が一方的に楽しそうに話しかけている。
…なんだ……
もっと気にしてるかなって思ってたけど意外に元気じゃん。
「―…勇雅は絶叫系が大好きだもんね!あとお化け屋敷とか。」
どうやら、ふたりの話題は昨日行った遊園地の話。
「……だよね!」
そう頷く福永瑛未の目がオレと合った。
その瞬間、動きが止まる。
「…瑛未ちゃん?」
夏生の心配そうな声に気付いて福永瑛未は、また笑顔を作った。
そのまま話に戻ったようだけど、さっきより明らかに笑顔が不自然だ。
「昨日はごめんねー」
「…だ…大丈夫だよ……あはははは…」
「…え、瑛未ちゃん?」
不自然な行動を繰り返す福永瑛未を夏生も本気で心配する。
「……勇雅と何かあった?」
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