気付くといまだつかまれたままの洋服の裾。 細い腕でがっちりと握っている。 ―…あれ…… コイツ男嫌いで…男には触れられないんじゃなかったっけ? 最近、あの雨の日も自分から抱きついてきたし… ―…『男嫌い』治ったんじゃねぇの? だから今もオレの洋服つかんでるんだろ? …ま、治ったら治ったで大変だろーけど。 絶対、夏生みたいな男たちが放っとかないだろうから。 .