顔の知らない大好きな貴方へ

――――…そんな経験をして私は男子恐怖症ってなわけ。




まぁ、クリスマスとか夏休みとかなってカップルが目立つ季節になると、彼氏がほしくなるけれど、また同じ過ちを犯すのはイヤだし、嫌な気持ちになるのなら恋なんてしない。これが私の結論だった。




昔は「きれいなお嫁さんになる」なんてはしゃいでたけど、今はそんなもんどーでもよくなってきたのだ。




だから心友の鏡 悠里(かがみ ゆうり)が高校デビューだとか、彼氏ほしいだとか言ってるのを聞いてるだけでおなかいっぱいだ。




悠里は高校になってからの付き合いで、よく友達には


「中学も同じだったでしょ」



なんていわれるけどそんなことない。




高校に入学して悠里の食いっぷりにおどろいた私が声かけたのが始まり。





『よく、そんなに食べるね!すごい!』



『そーかなぁ。でもね!このアンパンほんとにおいしいんだよ!ほら!食べてみ!』



悠里は本当に人懐っこくてみんなから好かれているタイプだ。



誰にでも平等に接している。




『私さーすんごい高校デビューしたとおもうんだよね。自分でもびっくり。だってね、前なんて食いすぎて太ってたし、髪の長くて多くて黒くて最悪だったんだよ!』



なんて自分の過去を赤裸々に語ってくれる。私の大事な親友だ。




あ!いまの悠里は、髪もショートヘアでちょっと茶色で前髪は長くて耳にかけてる。体型はデブじゃなくて痩せてもない。んー、標準かな。そして最近
『ピアスあけると運命かわるらしーよ!』なんていってピアスもあけ始めた。



最初ピアスをあけるときは無理無理ーっなんていって泣いてたくせに、あけ終わると
ぜーんぜん痛くないよ!なんて余裕ぶってるのがまた可愛い。