「へー。よかったね」

今、わたしは教室で玲ちゃんと遥に昨日のことを話した。


「うん!すっごい幸せだったんだよー」

ニヤニヤしながら言うわたしに遥は「きもい」と言った。


いいもん!きもくていいもーん!

「ぐふふ」

そんな風に笑っていると教室の入り口で声がした。

「姫岡さん。ちょっといい?」

ニコリと不気味に笑う。

「片平さん・・・」

体がびくっと震える。

やだ。怖い。

また殴られるじゃん。


びくびくしていると玲ちゃんと遥がわたしの前にわたしを隠すように立った。

「あんた。ひよりに手出さないでよ」

玲ちゃんが片平さんを睨みながら言う。

「ださないよー!あははっ!わたし、ひよりちゃんに謝ろうと思って」

しゅんっと下を向いて言う片平さん。

えっ、なんだーじゃあ大丈夫じゃん。



「大丈夫だよ。玲ちゃん、遥。ありがとう」

わたしがそう言うと玲ちゃんたちはしぶしぶわたしの前から退いてくれた。

「ありがとう。ちょっといいかな?」


申し訳なさそうに言う片平さん。

ここじゃ言いにくいことなのかな?

「うん。いいよ」

そう言ってわたしは片平さんと一緒に教室を出ていった。