「あれ、あのDVD借りてかないの?カナ」

「ん?どれどれ?」

「ば、バカ、あんた何言ってんの」

サヤカがマイの腕を引っ張り

2人はカナと少し距離を取った

「あの映画、カナがナオキさんと見たいって

探してたやつじゃん。

今は無理に決まってるでしょ」

「あっ…そうだった。

やばいやばい」

「なにー?何の話?」

カナが背後から2人に声を掛ける

「ううん、何でもない。

うちらの勘違いだったみたい」

「そか、ならいいけど。

あ、ねえ見てこれ、今週のオススメだって。

面白いのかなぁ」

今度はカナが自分から問題のDVDを

棚から取り出し2人に見せた

思わず凍りつくサヤカとマイ

「あ、あはは…どうなんだろうね?
まだ見た事ないから分かんないな」

「じゃあこれ、帰って皆で見ようよ。

久しぶりのお泊まり会なんだし」

「いやー、それはやめといた方が

いいんじゃないかなぁ?

ね、マイ」

「そ、そだね。あはは」

「?? 変なの」

「ね、それより早くしないと

カナのおばさん心配しちゃうし、もう帰ろ」

サヤカに促され、3人は足早に店を出た

取り残されたかのように

床に落ちたままのDVD

「もう…落としたんなら

ちゃんと拾いなさいよ」

「香月さん、レジお願いしまーす」

「あ、はーい」

女性店員はDVDを棚に戻し

急いで接客に向かった