まもるさんと過ごした日々は
あまりにも短かかった


それでも
あたしが過ごしたどんな数年分の時間より
濃くて大切な時間だった



「あっ」
1枚の写真を取り出す


子供のあたしが
びしょ濡れで笑ってる

手には貝殻を大事そうに持って


その横には
同じようにびしょ濡れのお兄ちゃんがいた




貝殻を探して
川でおぼれた時の・・・



助けに来てくれたお兄ちゃんから貰った貝殻だ・・・・





写真を置き
箱の中の『アレ』を探す




「あったぁ」
あたしの手には
小さな巻貝があった



なんでこんな大切なもの
箱にしまったままにしちゃったんだろう・・・



あんなに大事にしてたのに・・・



あたしはその小さな貝殻を
病院の中庭で貰った貝殻と一緒に
小さな巾着にしまった・・・・