『たすけ・・・!たすけて!』
浅いと思っていた川で
子供のあたしは足を取られ溺れた


もがいてももがいても
足が地面に着かなくて


『・・にちゃ・・・!お兄ちゃん!』
叫ぶたびに
口から水が入ってくる


もがき疲れて意識が朦朧としたとき
「ゆうかちゃん!!」



いきなり腕をつかまれた



目の前には『おにいちゃん』の顔があった



『お兄ちゃん!お兄ちゃん!!』
あたしは安心して大泣きしてしまったんだ



そんなあたしをぎゅっと抱きしめて
川岸まで運んでくれた



川岸までたどり着いた後も
おにいちゃんにしがみついて
号泣するあたしの頭を
『大丈夫だよ、ゆうかちゃん、大丈夫』
そういって頭を撫でてくれた




『ゆうかちゃんに何かあったら、僕が助けるから』







(おにいちゃん・・・)
思い出した・・・・