羚か宮杉が通るのを待つしかない。 通るなんて有り得ないけど。 … 誰かが助けてくれるわけでも無さそうだし。 だって皆、見て見ぬふりするんだもの。 別に助けてほしいわけじゃない。 見て見ぬふりするなら最初から 見ないでくれた方が ありがたい。 このままずっと放置されてたら さすがの私でもあの世逝きじゃない。 それもそれで嬉しい限りだけど。 ―― … ふと、地面に人影が映る。