今日は時間が過ぎるのがあっという間だった。
瑠璃はあれから私にべったりくっついていてくれる。
(これでよかったんだ)
あんな怖い瑠璃なんてもう
見たくないから。
「恋!がんばってね!メール待ってる!」
「わかった。じゃあ、またね」
瑠璃と別れて優にメールを打つ。
”今日うちに来てくれない?大切な話があるの。”
”わかったよ。今いく”
教室に優が迎えに来る。
ああ、これで最後なんだ。
これで一緒に帰るのも
こうやって優が迎えに来るのも。
「恋ーどしたの?」
「家で話そう?」
私はうまく笑えてるだろうか?
「わかったよ。」
そんなに、優しい笑顔なんて向けないで。
いつもは見とれてしまうけど。
今日は目も合わせられないよ。
だって、そしたら、
泣いちゃうから。
いつものように差し出される手。
これで、最後。
最後だから、これくらいは許してね、瑠璃。
私ちゃんと終わりにするから...。
優といると時間があっという間に過ぎてしまう。
これで最後。
これで最後。
何回自分に言い聞かせても
なかなか、受け入れられない。
やっぱりまだ優といたかった。

