私は考えを巡らせる。
秘密をバラされること。
瀧澤の足にキスをすること。
どっちも最強にイヤだけど、どちらかを選ばなくてはいけない。
だとしたら、どちらがマシ?
どちらを選んだ方が賢明?
「……わかったよ…」
そうして私は決断を下す。
瀧澤に従う、と。
またしても、情けない敗北宣言だった。
瀧澤はニヤニヤと笑いながら私の顔を見つめる。
一歩、二歩と瀧澤に近付くと、その口から笑い声が聞こえるようでもあった。
ゆっくりと、ひざまずく。
目の前に、瀧澤の組んだ右足が浮いている。
磨かれているとはいえ、やっぱりこれで外を歩くんだから、絶対に汚いと思う。
瀧澤の顔を見上げて睨みつけると、忌まわしいニヤニヤ顔が返ってきた。
ええい!くそっ!!
意を決して、瀧澤の足首に触れ、もう片方の手を革靴に沿える。
皮の独特の匂いがする。
そして、私は革靴の甲のあたりに唇をつけた。
最悪の気分だった。

