生徒会室まで来なさい。



私はどのような表情をしていたのだろう。
瀧澤の片眉が、私の顔を見て忌まわしげにピクリと動く。


意味不明すぎて、最早「はぁ?」という言葉すら出てこない。
でもきっと、「村越沙奈江のこの表情に吹き出しを付けるとしたら?」とアンケートを取ったら、
回答者全員が「はぁ?」という回答を口にするだろう。


「何だよ、その顔」


瀧澤が苛立たし気に言う。


「聞こえてんだろ?お前は、俺の奴隷になるんだよ」

「…いや、聞こえてるけどさぁ…意味わかんない」

「そのまんまだろ」

「いやいやいや…奴隷ってあんた…どっかのガキ大将みたいなこと言わないでよ…」

「お前こそ、文句言ってねえで従えよ。さもないと…」



瀧澤はそう言って意味深に笑うと顔をこちらへと近づけてくる。
思わず身をすくめると、彼はフっと鼻で笑って、私の耳元でボソボソと呟いた。


「……!?」


その瞬間、私は絶句した。