生徒会室まで来なさい。



瀧澤は深呼吸ばりに大きなため息をつく。


「……うん、今日はもう解散にしよう」


そう言ってチョークを置く。


「えっ?もう?早くない?」

「まだ自己紹介しかしてないわよ」


十文字くんと金子さんが、瀧澤に向かって言う。
が、私は瀧澤の発言に心の中でガッツポーズをしていた。
いいぞ瀧澤!今日は帰らせろ!!


「まあ、まだ初日だし。『方針』の漠然としたイメージだけでも各自で練ってくることにして、続きはまた明日にしよう」


そうそう、明日にしよう!
明日できることは、明日やればいい!


…って、


「あ、明日!?」


何?
どういうこと?
二日連続で、放課後を生徒会に奪われるわけ!?


「どうしたの、村越さん?明日だと問題ある?」

「あ、いや、あのー…あ、明日は部活が…」

「部活?村越さん、部活には入っていなかったよね?」


村越沙奈江。
とっさについた嘘が即座にバレるの巻。