生徒会室まで来なさい。



「あ、ごめんねビックリした?」


そう言うと、彼は私を素通りして生徒会室のドアを開けた。


「さ、どうぞ、村越副会長」

「あ、あの、えっと…」

「ああ、僕?自己紹介は中で。さぁ入って」


彼はふんわりと女性的に微笑み、私を生徒会室の中へと案内した。
そうされると私はもう中に足を踏み入れるしかなく、敷居をまたいだ。

中には会議用の細長いテーブルが2つと、その周りに椅子が4脚。
入って左手の壁には小さ目の黒板があり、反対側は窓。
奥の壁には本棚があり、黒い背表紙のノートがずらりと並び、その隣にポスカやらデッキやらの備品も納められている。



「揃ったわね」


この小さな部屋の中に居た女子が静かにつぶやく。


「そうだね、じゃあ始めようか」


奥の席に座っていた瀧澤が言う。


ちらりと、私の目を見ながら。