今までには出会ったことのない容姿の彼女に、一瞬にして興味が湧いた。 重い瞼を必死に開いてその子を見つめる。 どこか不機嫌そうに、でも凛とした横顔のまま自分の席に真っ直ぐ向かう。 他のものを寄せ付けないその雰囲気に惹かれてしまって、どうしても仲良くなりたかった。 きっと、あの子は私とは違う。 一人になることに怯えて媚びた笑顔を向けたりしない。 教室の空気が徐々に騒がしく戻り出した頃、教室に担任らしき男性が入ってきた。 「今から体育館で入学式が始まるので、移動して下さい。」