とうに涙を流す力も無くした細井はされるがままになっていた。 まるで死んだ魚の目になって。 「…チッ……ねー、髪切っちゃわない?」 「いーね。切っちゃお!」 そう言ったが否や落ちていたハサミを手にした。 腰まである長い髪を鷲掴みにすると、ハサミを近づけていく。 「やっ…やめて!」 「うっせ!」 ガンッ!と頭を踏みつけられ、鼻とデコが床に当たり激痛が走る。