「…苦しいんだけど?」 「そうしてるからな」 「なんで?」 「お前、何者?」 「あのさ、…聞く前に答えろよ」 ドカッと男の腹を蹴った零はうざったそうに襟を払い、正した。 …相変わらず、触られるの嫌いだなオイ。 零の仮面は結構固くて、常に演技している。 だから短気とかねーんだけど…触られると、メッチャ怒る。 キレた零ほど怖いもんはない。 死より怖いものを意識されるほどの殺気…。 まあ今回のはそれほど怒ってないようだが。