Only One──君は特別な人──

「もえ、今日は別々で寝た方がいいよな?」

「大丈夫だよ。貴広と寝るもん」

あたしは布団の中に入る。

風邪をうつすかもしれない。そんな配慮から別々に寝た方がいいと言ってくれたんだろうけど。

「本当に大丈夫か? 」

「うん」

彼氏が風邪を引いている時でも、一緒に寝たいと思うあたしは相当おかしいんだろうか?

ふとそんなことを思っているうちに貴広の寝息が聞こえてきた。

鼻詰まりが少し苦しそう。

それから、しばらくしてあたしも眠りについていた。