Only One──君は特別な人──

「風邪以外の時でも側にいるけどね」

「──ずっと側にいてくれるんだよな?」

「えっ?」

突然の貴広の意味深の言葉に戸惑う。

「どこにも行かないよな?」

「どこにも行かないよ。貴広から離れない」

「今日、家に帰って来て、いると思ってたもえがいなくてすごく焦った。寂しかったよ」

「そっか…。ごめんね。寂しい思いさせて」

あたしは貴広の手をぎゅっと握りしめた。

「何か久しぶりに体調崩して気持ちが弱ってるのか…。もえが聞いてて重たくなるようなこと言ってるな」

「そんなことないよ」

むしろ、貴広の本音が聞けていいかも。