「38℃もあるじゃん!」

「どうりで寒気がするわけだ」

「もう! 他人事みたいに言わないでよ。そういえば水枕はある?」

「あぁ。多分あると思う」


冷凍庫を覗くとカチカチになった水枕を発見!

おそらく何年も使ってないものだ。

あたしが水枕をタオルで巻いている間に貴広は市販の風邪薬を飲んでいた。

それから、2人で寝室へ移動した。


貴広がベッドで横になると、額に水枕を当てる。

「ありがとう。もえ」

「そんなお礼を言われることはしてないよ」

「いや。助かったよ。ほら病気の時って1人だと心細くなるだろ?」

「なるよね。特に1人暮らしだと」

「だから、こうやって側にいてもらえるだけでもありがたい」