桜木君は、私とは正反対だった。
皆怖がっていたけど、女子からの人気がすごくて、学校一の王子様だった。
「じゃあ、桜木の席は、空いてるところだから...、森の隣だな。」
先生がそう言った途端、他の生徒からは、『うわっ!桜木、可哀想っ。』
とか、『桜木まで、おかしくなるからやめてほしい。』とか、いろいろ
聞こえてきた。
もちろん、私だってこんな完璧なヤツの隣にいたくない。
余計に惨めになる...。
でも、桜木君は、何も言わず席のところまで来て座った。
その光景には皆驚いていた。
そりゃ、そうだよね。
前の転校生は私の隣が嫌で転校してったんだから。

