基樹との生活も慣れないまま、2週間が経とうとしていた。
季節は初夏。
由紀乃の通う高校では毎年この時期は『球技大会』が行われる。
「ゆーきの!」
「あ、花奏!競技決めた?」
「んーん。由紀乃と一緒ならなんでもいいよ?」
「そっかぁー」
競技は、ソフトボールと、バレーボールと、バスケットボールがある。
由紀乃は基樹が元高校球児だと言うことを思い出した。
(基兄に、キャッチボールくらいしてもらおっかな…)
ふと、無意識に妄想をして顔を赤らめる。
「由紀乃?決めた?」
「えっあ、う、うん」
花奏に呼ばれ、現実に戻る由紀乃。
かなり動揺し、花奏が不思議な目で見つめる。
「えっとね、ソフ」
「岡本はバスケな」
「うん、そーそー」
「えっ!まじっ!?」
「へ?」
横入りしてきた誘導尋問にまんまと引っ掛かる由紀乃。慌てて後ろを見ると、同じクラスでバスケ部の本多君が立っていた。
身長180センチはあるため、由紀乃は彼を見上げる。
「本多君か。」
「反応薄いなー」
由紀乃の反応の無さに、本多君は苦笑いを浮かべる。
「それよりも、さっきのほんと?」
「え?なんのこと?」
「え?バスケやるってこと。」
由紀乃はきょとんとして、本多君を見る。そんなこと言ったかな?と「?」を頭に浮かべる。
「いや、私はソフ」
「やります!!!!」
また横入りされ、由紀乃の言葉は遮られる。
今度は花奏だ。
「あ、相園さんもそーなんだ?岡本いい?」
「あっ」
「いいよ、いいよ!頑張ろーね由紀乃」
ニコニコ笑う花奏。どこか嬉そーな本多君。
こうして由紀乃はバスケットボールをすることになった。
