家に着くと、基樹はあっさりと繋いでいた手を離す。
あまりにもあっさりだったため、由紀乃は肩を落とした。
「ん?なんだよ?さみしそーな顔して」
「え?は?べ、別にそんな顔してません!!!」
基樹に言われて由紀乃はハッとした。
なんで、寂しいと感じたんだろう。
あ、そう。と基樹は呟きリビングへと入っていった。
玄関に取り残された由紀乃。
この感情に首を傾げる。
(もう少し、繋いでたかった。)
そんなことを思うと、心が暖かくなる。
由紀乃は繋がれていた手をじっと見る。
一体、なんだったんだろう。
そんなことをボーッと考えているとリビングから声がした。
「おい、何突っ立ってんだよ。夕食作るぞ。手伝え。」
包丁を片手に基樹が、やって来る。刃をこちらに向けて。由紀乃は背筋が凍った。
うそでしょ……
「っ!ちょっ!危ない!!!」
由紀乃は決意した。
基樹には料理をさせないと。
