「春じゃなきゃダメ?」
まるであたしの答えが分かってるみたいに聞いてきた。
「ううん、希龍くんとの散歩なら夏でも秋でも冬でもいい。だから、またこうやって歩こうね」
夏は暑いねー、なんて言って内輪で扇ぎながら並んで歩いて。
秋は今日みたいにのんびり、わざとゆっくり歩いて。
冬は…希龍くんが寒いの嫌いだから、春や夏や秋よりもくっついて、それでもわざとゆっくり歩くんだ。
考えれば幸せな光景しか浮かばなくて、今から楽しみ。
「楽しみだなー。」
あ、同じこと考えてた。
「ふふっ、そうだね」
幸せだな、なんて思いながら歩いてた。
そんなときだった。
「わっ…!」
後ろから誰かに引っ張られたのは。



