tender dragon Ⅲ


「春じゃなきゃダメ?」

まるであたしの答えが分かってるみたいに聞いてきた。

「ううん、希龍くんとの散歩なら夏でも秋でも冬でもいい。だから、またこうやって歩こうね」


夏は暑いねー、なんて言って内輪で扇ぎながら並んで歩いて。

秋は今日みたいにのんびり、わざとゆっくり歩いて。

冬は…希龍くんが寒いの嫌いだから、春や夏や秋よりもくっついて、それでもわざとゆっくり歩くんだ。

考えれば幸せな光景しか浮かばなくて、今から楽しみ。


「楽しみだなー。」

あ、同じこと考えてた。

「ふふっ、そうだね」

幸せだな、なんて思いながら歩いてた。

そんなときだった。


「わっ…!」

後ろから誰かに引っ張られたのは。