希龍くんには叶わない。
結局彼の思った通りになっちゃうんだから。
「言う!から、ストップ!」
ピタッと動きを止めた希龍くんは、あたしの手を引いて起こしてくれた。
「何でバイトしようと思ったの?」
単刀直入に聞いてきたから、もう答えるしか道はないんだと察する。
「……希龍くん、もうすぐ誕生日でしょ?」
「あー、うん。」
「だから、自分で稼いだお金でプレゼント買ってあげたいなって思ったの。」
あーあ、言っちゃった。
「なーんだ、俺のためか」
クスッと笑った彼は、いつもみたいに優しく頭をポンッと撫でる。
「…言ったら希龍くん、しなくていいって言うと思ったから…」



