「…あたしは希龍くんから色々貰ってるけど、あげたことは一度もないの。希龍くんもうすぐ誕生日だから…」

「あぁ、そういえば去年は美波いなかったもんな。希龍イライラしてたからすっげぇ覚えてるよ。」

「俺も覚えてます。それで、今年はちゃんとプレゼントあげたいからってことですか?」

春斗の言葉に頷く。


欲しいものが買えないくらいお金に困ってるわけじゃないけど、希龍くんにあげるものは、ちゃんと自分で稼いだお金で買いたい。

そう思って一昨日、バイトの面接を受けてきたわけだけど…


「何のバイトなんだよ?」

「駅前にあるカフェのウエイトレス!」

まさかそんなに簡単に受かるとは思わなくて。


「あぁ、女子高生に人気のとこですね。」

「そうそう。あたしもたまに行くから、一応慣れてるっていえば慣れてるし…」