正月、希龍くんから貰った可愛い指輪はあたしの指にピッタリで、キラキラ輝いてる。

この前それを見てふと思った。

あたしは希龍くんから色々貰ってるけど、あたしから希龍くんに何があげたことは一度もないって。


「ふーん、バイトねー。俺は別に反対しないけど、希龍は何て言うか知らねぇぞ。」

「…もう受かっちゃったもん。」


希龍くんの誕生日は、どうやらあたしの誕生日の一週間前らしい。

去年のその時期と言えば、あたしは希龍くんに会いたくないと言って避けていた。

…誕生日がいつの間にか終わっていたなんてこと、聞くまで知らなかったし。


「でも何で急にバイトなんか始めようと思ったんですか?」

その場にいた春斗が不思議そうな顔であたしを見る。春斗の腕の中にいるチビも同じようにあたしをジッと見つめていた。