tender dragon Ⅲ


「わっ…!」

「悪いけど、大事な子がいるから。」

希龍くんの手が背中に回って、ギュッと力を込められる。

甘い匂いにクラクラした。


「ごめんね。」


女の子たちに見せつけるようにあたしを力強く抱きしめて、そのまま歩き出した。

抱きしめたままなのは、きっと希龍くんの精一杯の優しさなんだろう。

顔を見られるとあんまり良くないってことは、あたしよりも希龍くんの方がよく知っているから。


「希龍くん、歩きづらいよ…」

「ごめん、でももう少し我慢して。」

上を向くと、希龍くんも下を向いていて、顔がものすごく至近距離にある。