まだ熱い唇がさっきの出来事を思い出させた。 思い出してもドキドキする。 絡む指に、髪を撫でる大きな手。 あたしを見つめる目は優しかった。 …触れる手も、唇も。 大事にしてくれてるんだと、あらためて実感できるような。 チビを床に下ろすと、さっきいたソファに飛び乗って丸くなって眠り始めた。 そこは、いつも希龍くんが座る場所。 あたしも座ろうと思ったとき、机の上にある雑誌が目に入った。ハートマークの多いページ。 さっき希龍くんが読んでたとこだ。 何て書いてあるんだろ?