tender dragon Ⅲ


まだ熱い唇がさっきの出来事を思い出させた。

思い出してもドキドキする。


絡む指に、髪を撫でる大きな手。

あたしを見つめる目は優しかった。

…触れる手も、唇も。

大事にしてくれてるんだと、あらためて実感できるような。


チビを床に下ろすと、さっきいたソファに飛び乗って丸くなって眠り始めた。

そこは、いつも希龍くんが座る場所。


あたしも座ろうと思ったとき、机の上にある雑誌が目に入った。ハートマークの多いページ。

さっき希龍くんが読んでたとこだ。

何て書いてあるんだろ?