「どうして、私の事、好きになったの?」
抱きしめられながら、たずねる。
「恥ずかしいけど、一目惚れ…」
恥ずかしがって小さい声で言うけれど、この距離だと普通に聴こえる。
「嘘だ。私、地味だもん」
「好みなんか人それぞれやし。」
「ほんとに?」
「ほんまほんま。でも、今は見た目も中身もどっちも好きや」
「有り得へん」
「あ、関西弁移った?」
「言ってみただけ」
もう完全に浮かれてる私達。
でも、いいや。
誰も見ていないんだし。
バカップルみたいだけど、もういい。
私、幸せだ。
「うわーーー!!バカップル発見!!!!」
「てかあれ、葵じゃね?」
「ほんとだーー!!」
幸せを噛み締めていると、下の方から微かに声が聴こえてくる。
だんだん声が大きくなってくる。
騒がしい…。
「シホ、下見てみ。ヤバイ…」
軽く笑いながら、葵は言った。
葵に言われた通り、私はフェンス越しに下を見た。

