人気のない屋上へ続く階段まで来ると新久 春はようやく手を離した。 「で…なに?」 「別に?」 「は?」 この男は何のために私を連れ去ったわけ? 特に意味ないの? 「じゃあ、帰る」 私がくるっと方向を変えようとすると 「だめだよ〜それは」 私の腕をつかんでこっちを向かせた。 「お前、ヤったことないんだっけ?」