「いやだ…」 「え………?」 「いや…イヤなの…」 「そんなこと言わないで。 凛(りん)にとってもいいこと たくさんあると思うわ。でしょ?」 「………っ」 「別に結婚したら幸くんが すぐお父さんになるわけじゃないわ。 少しずつ、少しずつでいいの。」 「……っ……どうして…」 「最初は…そうね。苗字が かわるだけって思えばいいのよ。」 「どうしてっ!どうしてイヤって 言ってるのわかってくれないのっ? 1人でつっぱしらないでよっ!!!」 「あっり、凛っ!!……」 私は家を飛び出した。