「 清羅、はやく起きてよ! 」
真美の声で目が覚め、
重たい瞼をあげると
外の光が私の目を細くさせる。
「あれ、私寝てたんだ ‥ 」
身体を伸ばし「おはよ」と挨拶した。
真美もその挨拶に返事し、
「ねえねえねえ、」
と真美が話しかけてくる。
「 え、最悪 」
真美の言葉を無視して私は言う。
言葉の理由は、バスの席が
先生たちの後ろだからだ。
なんでいままで このことに
気づかなかったんだろう。
あー、自分を呪いたくなる。
前の窓側に担任が座り、その隣に
副担任の藤原先生が座っていた。
「 ちょっと、無視しないでよ!ってか藤原先生の後ろとかやばい!」
なんて真美が言っている。
私にはなにがやばいのかわからない。
なのに少し藤原先生が気になり
ゆっくりと前を覗いてみる。
藤原先生は足を組んで、前の壁を
当たり前のように蹴って
壁を汚していた。
私はそのことがなぜか気にいらなくて
真美にその話をする。
それを聞いていたのか、藤原先生が
振り向いて私と目があった。
「 岡本は綺麗ずきなのか?」
と言う声が聞こえてくる。
藤原先生が話しかけてきたのを
その時に理解した。
「 そーゆー訳ではないです。けど、嫌なんです。先生として ‥ 」
すると藤原先生は「ごめんな」と
謝ってきて、私の頭にぽんっと手を
おいてきた。
先生の手が温かい。
私の顔は自然と赤くなり
そんな私をみて藤原先生はくすくす
っと笑っていた。
それから藤原先生とは
少し会話が続いていた。
すると真美が私に小声で
「なんかいい感じだね?」
なんて言うもんだから
私は不思議な気持ちになった。
「清羅 羨まし〜い!」
と言う真美はおかしいと思う。
そんな会話をしているうちに
バスは目的地に到着した。
