始業式が終わり、教室へ入る。
私の席は窓際の後ろから二番目で
真美はその後ろだった。
担任が入って来て
音楽を担当している、
40後半の女の先生だと知る。
すると ‥
ー ガラガラ ー
ああ、噂の人だ。
そう思うと同時にクラスの女子の
黄色い声が聞こえてくる。
笑顔が爽やかな、若い先生。
あまりにも人気な先生が
なぜか私は気にいらなかった。
「 C組副担任の 藤原 斗真(フジワラ トウマ)です。教科は体育。よろしくね 」
そう言って、笑顔を見せる 藤原先生。
その笑顔になぜか ドキッっと
している私がいた。
きっとこの胸の音は
何かの間違い。
そう自分に言い聞かせる。
「藤原先生が副担って嬉しすぎる!」
真美が私の耳元で言う。
「そう?誰でもいい。」
「何言ってんの!もしかしたら、あるかもよ?」
「何があんの?」
「生徒と先生の禁断の恋に決まってんじゃん!」
「マンガじゃないいんだから‥」
なんて呆れながら先生を見る。
え ‥
今、目が合った?
「いま先生清羅のこと見なかった?」
なんて真美が騒ぐ。
「気のせいだよ。」
生徒と先生の禁断の恋?
ほんと笑っちゃう。
ってか藤原先生を好きになる
なんて絶対ない。
きっときゃーきゃー言われて
気分いいんだろうな。
あー‥やっぱりなんかキライ。
と私は心でつぶやく
