その過去を知ってる
真美は驚いていた。
” あの ” 美咲がいたから。
「美咲、ほんとにごめん‥ 」
「うん‥」
「あ、あたしね、変わったんだ。あの時は本当バカだった。だから‥」
「もういいよ‥ 」
空気が重くなっていると ‥
「美咲っ!もう、どこ行ってたのよ」
と、綺麗な女性が美咲に
声をかけてきた。
「ごめん。行こ!‥ じゃーね清羅」
そう言葉を残してから
美咲はその女性と行ってしまった。
もう美咲とは会わないだろう。
謝ることできてよかった ‥
なんてぼーっと考えていると、
「お前ら行くぞ 〜」
と、蓮の声がしてから
京都巡りは再開した。
少し歩くと 、 私の大好物
抹茶ソフトクリームが売っている。
みんなは私の前に歩いているのに
ついついお店に入ってしまう。
これは買わなきゃ損でしょ!
「おばさん、抹茶のソフトクリーム1つくださ〜い!」
「はい、300円ね。」
お金を渡してソフトクリームを
受け取ると、顔が緩んでくる。
ふふふ、美味しそ 〜 ‥
「ちょっと、清羅!!」
あ、やばい。真美だ。
「いまいく〜!」
少し先でみんなが待っていて、
嬉しく思いながら駆けつける。
「ほんと、迷子になったらどーするつもりなの?」
「まあまあ、許してあげなよ。うわ!清羅いーなぁー。俺もそれ食べたい!」
真美を宥めながら、蓮が言う。
「買いなよ、蓮も!」
なんて言いながら
お店からはとっくに
もう離れていて、
「清羅、一口ちょーだい」
「‥‥ え?」
「だーかーら、俺にソフトクリーム1口だけ ちょーだいっ。」
待って、これはもしかして‥
間接キスってやつですか!
わ、わたし ‥
なに意識してんだろっ!
変態なんて思われるの
だけは勘弁してほしいからね、
普通に 、普通に ‥
「‥ う、うんっ」
私は蓮の前にソフトクリームをだして
ぱくっと食べれば「うまい!」なんて
キラキラした目で言っている蓮。
そんなやりとりを見ている
真美の顔はこれ以上はないだろう
って思うくらいにニヤニヤしていて‥
「清羅も早く食べれば?」
なんてわざと言ってくる真美。
顔がだらしなくて美人がもったいない。
なんならその顔私がいただこうか?
「うまいぞ?はやく食べろよっ」
なんて蓮が言う。
食べようと思いソフトクリームに
目をやれば一口食べた跡。
恥ずかしいよ ‥ /
真美も笑ってみてるし 、
私は目を瞑りながらぱくっと食べる。
‥‥‥ !!!
う、うますぎる!
さすが宇治抹茶ソフトクリーム ‥
ほんと美味しすぎて泣きそうだよ。
蓮の食べかけなんてお構いなしに
私はぱくぱく食べていた。
