雲はなく、青い空 ‥
清々しい気持ちで学校へ向かう。



今日は始業式で、改めて
高校3年生だと実感していると‥



「 おはよう、清羅(セイラ) 」




そう呼ぶ声がして
私、岡本 清羅(オカモト セイラ)
に、一人の女の子が近づいて来る。



その女の子は私の一番の友達、
神山 真美(カミヤマ マミ) だった。



「 おはよう、真美 」



真美は 栗色の長い髪で
二重でぱっちりとした目
すらっとした鼻に綺麗な肌。
唇はぷっくりとしていて
男なら惚れているだろうな
なんて考えてしまう。



そんな真美があまりにも綺麗で
私は、見とれていた。




「 なに?顔になにかついてる? 」



「 え ‥ ? あ、ごめん ! 」



そう私が言うと、真美は
「へんなの」なんて言いながら
私を見ながら、笑っていた。



肩より少し長い黒髪で
特に可愛くもない私は
真美になりたいと思う。




真美と話しながら学校の門をくくり
大きな貼り紙の前で足を止める。


そして、ゆっくりと順番に見ていき
自分の名前を探す。



すると、いきなり真美が叫んだ。



「 清羅 〜 !」



そう言いながら、抱きつく真美に
驚きながらもやっと名前を見つけた。




私の名前の次に真美の名前。




「 やった! また同じだね 」



やっと真美が抱きついてきた
意味を理解し、私も喜ぶ。




「 そろそろ体育館へ行こうか 」



私がそう言うと同時に
私たちの足は体育館へ向かった。



相変わらずざわざわとした体育館。



新しい先生が楽しみで仕方が無い
なんて言う話し声が聞こえてきた。



たったそれだけの事で
生徒のざわざわとした体育館は
静まりを知らなかった。