見えたのは―――― 「水溜まり?」 昼間は曇りだったはずだ。 一滴たりとも雨は降っていない。 蝶番が外れかけてガタつくドアを押すと、バキバキと危うい音を立てて動いた。 キィ…… 隙間を開けて見ても、何かがいる気配などない。 たださっきの水溜まりがあるだけで……… 「……あ?」