次の日、学校に行ってみると、宮上は休みだった。

「まだ来てないのかな。」

しかし、あと5分でHRが始まるという時間になっても宮上が学校にくることはなかった。

「ねぇちょっと、今日宮上は?」

普段宮上とよくいる(というか他の人といるところを見ない)男子たちに話しかけてみると、

「え?宮上なら休みだけど、それがどうかしたの?」

という返事が帰ってきた。

「いや、顔見ないからどうしたのかなって、教えてくれてありがと」

適当でありながら完璧な返答。

相手が男子だったこともあってか、それ以上深入りさせることはなかった。

これが女子相手だったら、きっと恋バナに無理矢理持っていかれてしまうんだろう。

だから女子って

「面倒なんだよなぁ。」

ため息と共に出てきた本音。

「なにがめんどーなのー?」

たまたま聞こえたのだろう、隣にいた歌恋に続きを促される。

歌恋(かれん)とは、私がよく一緒にいる友達だ。

優しく、気が回り、結構鋭い。

こんかいはそれが仇となった感じだ。

「え...えーっと...か、課題まだ終わってないなーって」

「あーわかるあんなのやってらんないよねー」

我ながら随分嘘丸わかりな態度だと思ったけれど、どうやら気づかなかったらしい。

鋭いといったが、たまにものすごく鈍感である。