なぜなんだろう?

一人残った私の脳内で、なぜ宮上がジュースを奢ってくれたのかという疑問がぐるぐると渦を巻いていた。

普通、自販機の前で石化していた顔見知りに出会したぐらいでジュースを奢るものだろうか?

「......。」

なんだか普通にあるような気がしてきた。

あわかった!奢る=貸してやるから明日返せってことだ!

......無理があるだろうか。

「あ"ぁもうっ!!!」

そもそも頭を使うのは得意な方ではない、考えてもわからないなら直接聞けばいいじゃないか!

そう結論に至ったとき、

「あ、なくなってる。」

手にしているペットボトルの中身は、いつの間にか空になっていた。