「こんなとこでなにしてんの?」

「え"っ!?」

「あ?」

「あぁいや、ちょっと...お金なくてさ...ははっ」

クラスメイトとはいえ、ほとんど話したことない人になんてこと言っているんだろう。

条件反射で出て来た笑いは虚しいほど乾いていた。

「ふーん、なら奢るよ、どれ?」

「......はっ?」

何を言っているんだこいつは?

「え?買うの一本だけだろ?」

「え...うん...」

「うん。どれ?」

いきなりすぎて声なんて出てこなかった。

無言で一番好きなジュースを指す。

宮上はなんの躊躇いもなくジュースを買って

「ほい。」

それを私の前に出して来た。

またも無言で受け取る。

「あっ......あり...がと...」

「ん。それじゃ。」

そういうと宮上は来た道と反対方向に歩いてしまった。