舌が入ってくる。
何コレ。
何コレ。
何コレ。
『ふ、…む……んぅ…』
プハ、と唇が離れる。
ハァハァと荒々しく呼吸するあたしを見て、亜優は「友紀、可愛いね」と言う。
何なの…もう…。
『!?』
油断してた!!
亜優の顔が、首元にある。
ちゅ、と首にキスをされ思わずビクッとする。
亜優の手がTシャツの裾から入り込む。
あたしの腰付近を亜優の手が触る。
『や…』
あたしは震えていた。
小刻みに、震えていた。
心臓のドキドキが、体中を埋め尽くす。
ふっ、と亜優の力が抜けたような音がした気がした。
亜優は優しく手を抜くと、あたしも一緒に横向き体勢になり、あたしをぎゅっと抱きしめた。
『あ、ゆう?』
「…今日はずっとこのまま…、友紀を抱きしめて眠りたい」
うとうととした声でそう言った。
『そっか』
あたしはそう言って、同じように亜優をギュウッと抱きしめる。
「いつかもう一回こんな時が来たら、そのときは、覚悟しときなよ」
『…ほへ!?』
さっきのうとうと声はどこへ?
意地悪そうな声に戸惑う。
「可愛いよ」
亜優はそう言ってあたしに最後、小鳥のようなキスをした。
『意地悪』
あたしはそういって、同じようなキスを亜優にし返す。
二人の夜は、そこで終わった。