「友紀」

『へ?』

「可愛い」

『は!?』

その瞬間、キスをされる。

手に持っていた携帯が、するっと落ちる。

カシャン、と静かに音を立てた。

『んっ……ぅ…』

長い。

そう思ったら、パッと唇が離れた。

『…はぁっ…ふ、不意打ちとか…やめてよバカ…』

思わず口元を押さえた。


「嫌?」

いつもより意地悪そうな顔をした亜優。

あ、なんだろ、ものっすごいかっこいい。

『………嫌…じゃ、ない…』

思わずそう答えると、またキスをされた。



『も、嫌』

ちょっと離してまたキス、を繰り返して5回くらい。

さすがに苦しい。

心臓がバクバクする。

息が苦しい。

立ち上がると、足元がフラついた。

『あ』

倒れる、そう思った時、亜優に手首を掴まれ倒れずにすむ。

『あ、ありが…』

お礼を言おうと思った。

でもいつのまにか後ろにあったベッドに押し倒されてた。

『…あ、亜優…?』

覆いかぶさる亜優は汗なのか水なのかわからない滴を落としていた。


「友紀、…好き」

『え、ちょ、まっ』


亜優に深いキスをされた。