いやいやいや、ないないない。
ヨッキューフマンとかそういうんじゃない。
うん、ないっ。
そう言い聞かせて、あたしは浴室を出る。
するとそこには、Tシャツとスウェット（下）があった。
『亜優…いつのまに、置いといてくれたんだろう…』
お店の様に丁寧にたたまれてる服。
きっと、コレ着てってことでいいのかな？
だってさっきの服ビチャビチャだし。
そしてあたしは、そのTシャツとスウェットを着た。
下着は下は着たけど、上は気持ち悪いから着ない。
コンコン
着替え終えたところで、脱衣所の扉がノックされる。
「友紀、さっき着てた服乾かすからそこのカゴの中置いといて」
亜優の声が、扉の向こうから聞こえる。
『わ、わかった！』
あたしはブラを服と服の間に隠して、カゴの中に服を置いた。
そして、脱衣所を出る。
『しゃ、シャワーありがとう…亜優』
「ん」
亜優はそうとだけ言って、ニコと笑った。
そして、脱衣所の棚にしまわれているタオルをとりだし、あたしの濡れてる髪をワシャワシャする。
「んじゃ、俺入るから。俺の部屋で待ってて」
亜優はそう言うと、脱衣所に入りドアをしめた。
あたしは素直に、亜優の部屋へ向かった。
ちなみに来るのは初めて。
部屋の場所はさっき教えてもらった。
カチャ
ドアをゆっくりあけて中に入る。
そこはキレイに整頓された部屋。
『亜優って片付け上手いんだぁ…』
そんな感じに感心（何様）していると
ブブブブブ ブブブブブ…
携帯がマナーモードで鳴いた。
