事件は起きた。


こんな感じに微笑ましいまま終わるはずだった。



でも…





「雨」

帰り道、亜優がボソッとそう言った。

『そういえば、ポツポツとふってるね』

ポツリ ポツリ ポツリ…


ポッポッポッポッポッポッポッポッ


ポポポポポポポポポポポポポポポポポ




ザアアアアアアアアアアアアアアアアアア



『なんかスゴイふってキタァァァァァァァァァァァ!!!!』


小雨だった雨は、どんどんどんどんと強くなっていきとんでもない大雨と化していた。



「俺んちもうすぐ!!とりあえず行くぞ!!」



そういうと亜優はあたしを姫だっこし、雨の中を全速力で走った。



ガチャンッッ!!

亜優は家に着くと、瞬時に中に入りドアを閉めた。


「なんで急に…」

ハァハァと疲れた様子で、亜優はペタンと座る。

『ホントだよね…』

お互いびしょびしょのまま、玄関に座りこむ。


その時。

チラリと亜優があたしを見て、そして家の中にあがっていく。

人の家をうろうろするのもなんだから、あたしは待っていた。


なんで亜優、あたしをチラリと見たんだろう?

その謎は一瞬でとけた。


アウターの前のボタンが全て外れ、そこからブラウスが見えている。

そして濡れたブラウスはペタリと肌に張り付き、下着がくっきりと透けていた。


『ぎゃっ』

その事実に気付き、とっさに胸を隠す。


その時、戻ってきた亜優からタオルを受け取った。



「つーか友紀、とりあえずシャワー浴びな」

『え!?』

「風邪ひくだろ」


言われるままに、浴室へやってきたあたし。



もしかして…



もしかして!?