あれから何ヶ月か―――――

あたしは高校1年の秋を迎えていた。

ちなみにこの高校には文化祭がなく、のんびりした秋だ。



最近は気候がよく、朝快適に起きられる。

だから、早起き登校だ。


「友紀!」

校門あたりで、聞きなれた声に呼ばれる。

『おはよ!純香』

振り返ったら、純香が笑顔で手を振りながらこちらにやってきていた。

「おはよ~、っで!友紀!昨日のドラマ見た!?」

『えっ、ど、どれ!?昨日のドラマって…9時から、10時から、11時15分から…いっぱいあるけど!』

「ん~、じゃぁまず『コスモス』から!」

『ああ…9時からのやつ?…って、そのコスモスの原作の携帯小説、貸してくれるって言ってたじゃん!』

「え?そうだっけ?…ああ!そうだったね!ごめんごめん、持ってるよー、はい!」

『ったくもう…』


純香とは、こんな話でいっぱいだ。

純香は変にしっかり者で変にドジで忘れっぽい、そんで無茶ぶり女王なんだから大変な人なんだけど…。



今のあたしにとっては、恩人、かな。