『ね…ねぇ、亜優…』

「ん?どうした、友紀」


鞄から、チケットを取り出す。

なんか、いざとなると、照れるかも。

落ち着いて。


『今度…一緒に…映画、行かない…?』

「…えっ…、え、それって、ふ、二人だよね?」

『…他に誰がいるの!?』

「え、ちょ、マジ…デート?」

『当たり前だよ、バカ』

「まじか、…超嬉しいんだけど」

そう言って亜優は照れながら笑った。

『この映画…嫌い?』

チケットを一枚、渡す。

「…ムーンライト…」

『ほ、ほらっ。亜優が、好きって言ってた…「fee・lee」の…』

「…覚えててくれたの?」

『う、うんっ!も、もしかして…これ…嫌?』

「これ、超見たかったやつなんだけど!!」

亜優は顔を明るくさせて笑った。



よかった…!




「…じゃぁ…来週の、土曜で…いい?」

『…え、なんで来週?』

「え!?え、えっと…」


そういうと亜優は、また照れて…



「クリスマス、じゃん…?ほら、俺、友紀と過ごしたいし…な?」



『…あたしも…亜優と過ごしたい…!』


「決まりな」



そういって亜優は、さっきより強く手を握った。