家から少し進んだトコの角を曲がると、いつもの公園が見える。

そこにはいつも少し遅く来る亜優がいた。


『…亜優っ!』

待たせていたと気付き、思わず駆け寄る。

「おはよう、友紀」

『お、おはよ…どうしたの?いつもより早くない?』

「いや、いつも待たせてるし…」

『…ふうん』

「ってのは嘘」

『へ?』


「なんか友紀に会いたくなっちゃって」


へへへ、とおかしげに亜優は笑った。

それにつられて、あたしも笑う。

『あたしも会いたかったよ』

そういうと、亜優は優しく手を握って

「行こっ」

そう言った。

その顔は、照れていて可愛かった。



亜優の手はどこまでもあったかくて、優しかった。