『その代わり、絶対ついてこないで』という条件をのんでもらった。

そして笑莉が…「もし知ってる子に話しかけちゃって、名前聞かれて『ユキ』じゃばれちゃわない?」と言いだして…。



あたしは『ユウキ』となり、街に出ることになった。



人がザワザワいる………。

もう、嫌…。

誰をナンパすればいいんだよ~…。


とりあえずこっちは一人だし、一人で暇そうにしてる子を探す。



…誰もいないし…。



はぁぁと諦めかけたその時、


『…いた……………………』



ファンシーショップの店前のベンチにポツンと座っていた子を見つけた。


その子に近づく。

心臓がバクバクする。


『あ、あの…今、暇…ですか?』

少し声が震えながら…そう声をかけた。

ううう…このコにとって「何コイツオドオドしてんの」って思われそう…。


「あ、…はっ、はい!暇です…」

彼女はそう答えて立ち上がった。

少し積極的になってきて、ビビる。

『えっ!あ、じゃあっ…ちょ、っと…お茶しない…?』

「あっ、はい!えと…よろしくお願い…し、します…」

お互いに言葉をつまらせながらも、なんかまとまって近くのカフェに入った。


相手は自分の事…男だと思ってるのかなぁ…。

だましてゴメン…女子です…。