『…だって…そういう話題…出ないし…』
いつも一緒に登下校してるけど…土曜日曜の話題は出てこない。
デートしようか、なんて言われてもいないし。
まぁ、あたし…。
まだ『ユウキ』やってるから、あんま言われないのはいいんだけどね。
今週の土曜日もアユミちゃんと会うんだ。
「友紀ちゃんから言えばいいんじゃない?」
『…でも…なんかもう、学校とメールだけで十分って感じで…』
「したくねーの?」
ちゅー…とコーヒー牛乳を飲みながら、かずにいが言った。
『したくないわけじゃない。んだけど…』
「もうすぐクリスマスだよ?恋人たちのための聖夜だよ?天使が愛を運んでくる日だよ?」
『杏梨、それ雛先生の【イルミネーション】の影響でしょ』
「あたりっ」
「何?雛先生って誰?」
『小説家だよ』
「面白いの?」
『恋愛小説が主だよ…かずにい、読みたいの?』
「よみてぇ」
「男子目線のもあるから面白いよー!」
「へぇ…今度図書室に借りにいこ」
かずにい恋愛小説とか読むんだ…意外。


