「なぁ!なぁなぁなぁなぁ!!ちょっと聞いてくれよなぁ!!」

朝っぱらから騒がしいとーさん。

ハァハァと興奮したようにやってきた。


「なぁなぁ友紀!まーさん!かず!杏梨!聞いてくれよおぃおぃ!!」

『何?』

「朝からうるさいわよ?芳樹、なに?しばかれたいの?」

「とーさん、朝からハイテンションだね。」

「なんだとーさん!!」


「俺、彼女できたんだけどぉぉぉぉぉぉ!!!」






「「『……ふーん…』」」


かずにいだけは「おぉぉおおおぉぉお!?」とか言って、女子軍は…スルーだ。


なんだ、そんな事か。

でもなんか変なの、だってとーさんに彼女って言うと、家族構成じゃ愛人だよ。


「なぁに、芳樹?あたしじゃ満足できなかったって事なの?ふぅん…悪い子ね」

まーさんがふふふって怪しく笑う。

口元を、ペロッとなめた。

その他4人全員揃えてゾッとする。

「冗談よ」

アハハッてまーさんが笑う。

その他4人全員揃えてホッとした。


『…で、その愛人って誰なのとーさん』

「愛人ってお前…」

『愛人だよー、この中じゃ。まーさんとどっちにするのー?』

「『とーさん』と『藤堂芳樹』は別世界に住んでるんだよ」

そう言って髪の毛をわしゃわしゃやられる。

なんだよー、大人ぶって。


「で?誰なんだよー、とーさん」

「ん?ああ…5組の夏目 紗恋-natsume saren-。」

『あの可愛い子?』

「そ!可愛い子ー!告られちゃったー!」

「へー!とーさん、すごいねー!」

杏梨がニコニコと笑う。



たしかにとーさんは顔はまぁまぁだからね。

亜優には負けるけどね。