『嫌だ!!ぜーぇーったーい、嫌だ!!!』

全力で暴れるあたしは菜喜と笑莉に抑えられ、純香の思い通りにされる。

「上京したお兄ちゃんの服がまだ余ってるんだーッ」と嬉しそうに言い、あたしに着せていく。

どこで入手したんだというウィッグまでつけられて…。





あたしは……男になった…。



「…友紀、イケメン」

純香はそう言った。


鏡で見せて貰うと…。



パーカーにジーンズで

黒髪でショートの男子がいた。



『これあたし?』

そう言って自分を指さすと、鏡の中の男子も同じようにする。

どうやら、あたしだ。




「友紀が想像以上にイケメンだから、指令追加ね!可愛い子ナンパしてきてっ!」

『はぁぁぁぁぁ!?』

「失敗しても成功してもどっちでもいいからさッ」

純香は楽しそーに笑う。




うう…その笑顔、絶対逆らうなって笑顔だし。